さいたま市 10/10(土)
  • 18°
  • 埼玉県の人口が初めて減少|2025年国勢調査の市町村ランキングと若い街

    埼玉県の人口が初めて減少|2025年国勢調査の市町村ランキングと若い街

    埼玉県の人口が、国勢調査で初めて減った。

    2026年9月29日、埼玉県は2025年(令和7年)国勢調査の確定値を公表した。県の人口は728万7,325人。前回の2020年から5万7,440人減り、1920年(大正9年)の調査開始以来、はじめて前回を下回った。

    とくに大きく減ったのは子どもだ。15歳未満は78万332人で、5年間で7万8,052人、9.1%の減少。1日あたりにすると約43人ずつ減った計算になる。一方で外国人は約1.5倍の24万681人、世帯数は過去最多の330万世帯に増えた。

    本記事では、県と総務省が公表した一次データをもとに、埼玉の人口に何が起きたのかを整理する。平均年齢の若い街ランキング、増えた10市町と減った市町村、さいたま市の区ごとの差まで、1ページで確認できるようにまとめた。

    埼玉の人口、初めて減少

    確定値は728万7,325人

    国勢調査は、日本に住むすべての人と世帯を対象に5年に1度行われる調査だ。2025年10月1日時点の埼玉県の人口は728万7,325人(男性360万7,710人、女性367万9,615人)となった。

    前回からの減少率は0.8%。数字としては小さく見えるが、埼玉は戦後一貫して人口が増え続けてきた県だ。前回2020年の調査でも7万8,231人(1.1%)増えていた。増加から減少へ、流れがはっきり切り替わったことになる。

    25年間の人口推移

    2000年以降の国勢調査で比べると、埼玉の人口の伸びは2010年をピークに鈍り、今回マイナスに転じた。

    調査年人口前回比
    2000年6,938,006人-
    2005年7,054,243人+11万6,237人(+1.7%)
    2010年7,194,556人+14万313人(+2.0%)
    2015年7,266,534人+7万1,978人(+1.0%)
    2020年7,344,765人+7万8,231人(+1.1%)
    2025年7,287,325人▲5万7,440人(▲0.8%)

    出典:総務省・埼玉県「国勢調査」(各回確定値)

    2015年と2020年はいずれも1%前後の増加を保っていた。5年前まで7万人以上増えていた県が、5万人以上の減少に転じた。変化の幅は約13万人にのぼる。

    全国5位は変わらず

    都道府県別の人口順位は、前回と同じ全国5位。上位は東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県の順で、東京都だけが増加し、ほかの4府県はいずれも減少した。人口増減率の順位は、前回の4位から5位に下がっている。

    全国で見ると、総人口は1億2,297万2,528人で、前回より317万3,571人(2.5%)減った。東京都以外の46道府県で人口が減っており、埼玉の減少は全国的な流れの一部といえる。

    速報値との違い

    今回の数値は「人口等基本集計」と呼ばれる確定値だ。県は2026年5月20日に速報値(728万7,169人)を公表しており、確定値との差は156人。速報は市町村が取りまとめた集計表をもとにした暫定値で、確定値はすべての調査票を集計した数字になる。

    なお、市町村ごとの増減数や増えた市町村の数など、確定値の公表資料に載っていない項目は、本記事では速報値を使っている。該当箇所には「速報値」と明記した。

    人口が減った理由

    自然減が社会増を上回る

    人口の増減は「自然増減(出生と死亡の差)」と「社会増減(転入と転出の差)」で決まる。

    県の推計人口によると、2025年9月1日までの1年間で、県内の出生は4万1,135人、死亡は8万7,311人だった。亡くなる人が生まれる人の約2.1倍に達し、自然減は4万6,176人。これに対し、県外からの転入超過による社会増は3万9,820人だった。

    つまり、埼玉には今も毎年4万人近くが県外から移り住んでいる。「選ばれなくなった」わけではない。転入の勢いを、出生の減少と死亡の増加が上回った。これが初の人口減少の正体だ。

    住民基本台帳ベースの統計では、自然増減は2012年からマイナスに転じており、県の推計人口も2022年から減少が続いていた。今回の国勢調査は、その流れを5年に1度の全数調査で確かめた形になる。

    県内の移動も南部に集中

    県内の市町村間でも人は動いている。県の推計人口によると、2025年8月の1か月だけで県内の市町村をまたぐ移動が多かったのは「川口市からさいたま市へ」(277人)、次いで「さいたま市から川口市へ」(170人)だった。月ごとの集計でも、この2市の間の移動が上位の常連になっている。

    県外からの転入に加え、県内の人の流れも南部の大きな市に向かっている。後で見る市町村別の増減で、県南部と秩父地域の差が大きく開いた背景の一つとみられる。

    外国人を除くと約13.7万人減

    外国人の増加が、減少幅を小さくしている点も見逃せない。総人口から外国人を差し引いて比べると、2020年の約718万3,000人から2025年は約704万7,000人へ、約13万7,000人(1.9%)減った計算になる(国籍不詳を含む概算)。

    県全体の減少5万7,440人のうち、外国人の増加7万9,242人がなければ、減少幅は倍以上になっていた。

    15歳未満は9.1%減

    年齢3区分の変化

    年齢別に見ると、減っているのは子どもだけだ。15〜64歳の生産年齢人口と65歳以上の老年人口は、いずれも前回より増えている。

    区分2025年割合2020年比
    15歳未満78万332人11.0%▲7万8,052人(▲9.1%)
    15〜64歳436万3,435人61.3%+2万8,247人(+0.7%)
    65歳以上197万3,582人27.7%+3万8,588人(+2.0%)

    出典:埼玉県「令和7年国勢調査 人口等基本集計結果(確報値)」※年齢不詳を除いて算出

    割合で比べると、15歳未満は前回の12.0%から11.0%へ1ポイント下がった。65歳以上は15歳未満の約2.5倍になり、前回の約2.3倍から差が広がっている。

    全国との比較

    全国の15歳未満の割合は10.9%、65歳以上は29.4%、15〜64歳は59.8%だ。埼玉は15歳未満がわずかに全国を上回り、65歳以上は全国より1.7ポイント低い。働く世代の厚さは全国平均より大きく、首都圏のベッドタウンとしての性格は数字にも残っている。

    ただし子どもの減り方は急だ。15歳未満の減少率9.1%は、県人口全体の減少率0.8%の10倍を超える。出生数の減少が、そのまま年少人口の減少として表れている。

    「年齢不詳」に注意

    年齢別の数値は、年齢が「不詳」の人を除いて計算されている。県の公表値から逆算すると、年齢不詳は前回の約21万6,000人から今回は約17万人に減った。

    15〜64歳が増えたのは、外国人の流入に加えて、この不詳が減った影響も含まれていると考えられる。年齢別の増減は、実数よりも割合の変化で見る方が実態に近い。

    若い街ランキング

    1位は戸田市

    埼玉県全体の平均年齢は48.2歳で、前回の46.9歳から1.3歳上がった。都道府県別では若い方から8位(前回7位)だ。

    市町村別で最も若いのは戸田市の43.4歳。2位は和光市の44.1歳、3位は朝霞市の44.3歳と、いずれも荒川沿いから東京都に接する県南西部の市が並んだ。戸田市は、住民基本台帳をもとにした県の別の調査でも31年連続で県内最年少となっている。

    最も平均年齢が高いのは東秩父村の60.0歳で、戸田市との差は16.6歳。同じ県内でも、街によって人口の年齢構成は大きく違う。

    年齢3区分の上位・下位

    順位平均年齢(若い順)15歳未満割合15〜64歳割合65歳以上割合
    1戸田市(43.4歳)滑川町(13.8%)戸田市(68.6%)東秩父村(51.3%)
    2和光市(44.1歳)戸田市(13.1%)和光市(68.5%)鳩山町(49.2%)
    3朝霞市(44.3歳)朝霞市(12.7%)朝霞市(67.5%)小鹿野町(44.0%)
    -県全体(48.2歳)県全体(11.0%)県全体(61.3%)県全体(27.7%)
    61小鹿野町(56.5歳)小鹿野町(6.7%)ときがわ町(49.0%)朝霞市(19.8%)
    62鳩山町(58.8歳)鳩山町(6.4%)鳩山町(44.4%)和光市(19.6%)
    63東秩父村(60.0歳)東秩父村(5.0%)東秩父村(43.7%)戸田市(18.4%)

    出典:埼玉県「令和7年国勢調査 人口等基本集計結果(確報値)」

    目を引くのは、15歳未満の割合で1位になった滑川町(13.8%)だ。東京都に接していない比企地域の町だが、2002年に開業した東武東上線つきのわ駅の周辺で宅地開発が進み、子育て世帯が集まってきた。町村部で人口が増えたのも、速報値では滑川町だけだった。

    若い街でも人口は減る

    「若い街」と「人口が増えている街」は、必ずしも一致しない。速報値で見ると、朝霞市は4.27%増と県内トップの伸びを示した一方、戸田市は1.23%減、和光市も0.42%減だった。

    平均年齢は、人の出入りが多い働く世代の比重で決まる。人口の増減は、住宅の供給量や転出の多さにも左右される。住む街を選ぶときは、平均年齢と人口の増減をあわせて見ると街の性格がつかみやすい。

    市町村別の人口ランキング

    人口が多い市町村

    人口が最も多いのはさいたま市の134万4,865人。川口市、川越市、所沢市、越谷市が続き、上位5市の顔ぶれと順位は前回と変わらない(確定値)。

    順位市町村人口(2025年)2020年比
    1さいたま市1,345,016人+1.59%
    2川口市592,007人▲0.38%
    3川越市354,793人+0.06%
    4所沢市342,575人+0.03%
    5越谷市341,602人▲0.01%
    6草加市251,122人+1.13%
    7上尾市224,800人▲0.94%
    8春日部市222,817人▲3.04%
    9熊谷市188,262人▲3.16%
    10新座市164,698人▲0.79%

    出典:埼玉県「令和7年国勢調査速報結果」統計表(速報値)

    県人口の93.6%は40の市に住んでおり、23の町村の人口は合わせて46万5,666人(速報値)。人口の多い10市のうち、増えたのは4市にとどまった。

    増えたのは10市町

    速報値では、63市町村のうち人口が増えたのはさいたま市、川越市、所沢市、草加市、蕨市、朝霞市、八潮市、富士見市、鶴ヶ島市、滑川町の10市町。残る53市町村は減少した。

    確定値で見た増加数の上位は、さいたま市(2万840人)、朝霞市(6,150人)、草加市(3,056人)、蕨市(1,171人)、富士見市(892人)。増加率では、朝霞市(4.4%)、蕨市(1.6%)、さいたま市(1.6%)、草加市(1.2%)、滑川町(0.9%)の順だった。

    朝霞市は増加数・増加率とも上位に入り、今回の調査でもっとも勢いのある街といえる。都心への通勤のしやすさと、新たな住宅の供給が伸びを支えているとみられる。

    減った市町村

    減少率が大きいのは、東秩父村(▲15.36%)、小鹿野町(▲13.70%)、長瀞町(▲10.37%)、横瀬町(▲9.42%)、皆野町(▲9.37%)。上位はすべて秩父地域の町村で、5%以上減った自治体は16市町村にのぼる(速報値)。

    一方、減少した人数で見ると、春日部市(▲6,975人)、熊谷市(▲6,153人)、狭山市(▲5,948人)、入間市(▲5,471人)、秩父市(▲5,028人)が上位に並ぶ。率では山間部の町村、数では人口規模の大きい市が目立つ。減少は秩父だけの問題ではなく、県東部・北部・西部の中核的な市にも広がっている。

    さいたま市は区で差

    県内で最も人口が増えたさいたま市も、区ごとに見ると動きは分かれる(速報値)。

    区人口(2025年)2020年比
    大宮区125,310人+6.39%
    緑区132,329人+3.12%
    浦和区169,458人+2.81%
    南区196,111人+2.37%
    見沼区166,998人+1.18%
    西区94,098人+0.64%
    中央区103,816人+0.53%
    桜区98,914人+0.26%
    岩槻区110,514人▲1.16%
    北区147,468人▲1.19%

    出典:埼玉県「令和7年国勢調査速報結果」統計表(速報値)

    大宮区は7,526人増と、県内のどの市町村よりも高い伸び率になった。都心側の大宮区・浦和区・緑区と、郊外の岩槻区・北区とで明暗が分かれている。

    外国人は約1.5倍に

    24万681人に増加

    県内に住む外国人は24万681人で、前回から7万9,242人、49.1%増えた。都道府県別の順位は前回と同じ全国5位。全国の外国人人口の伸び(44.1%)も上回っている。

    県人口に占める外国人の割合は、2020年の2.2%から3.3%に上がった。およそ30人に1人が外国人という計算だ。

    多いのは川口市

    外国人が最も多いのは川口市の4万3,967人で、市の人口の約7.4%にあたる。さいたま市(3万1,272人)、草加市(1万1,792人)、川越市(1万1,595人)、越谷市(8,938人)が続く。

    人口が増えた蕨市や草加市も、外国人住民の多い街だ。日本人が減るなかで、外国人の転入が人口を下支えしている地域は少なくない。言葉や学校、地域行事への参加など、暮らしの場での共生が現実の課題になっている。

    世帯は過去最多

    330万世帯、1世帯2.21人

    人口は減ったが、世帯数は増えた。県内の世帯数は330万4,111世帯で、前回から14万1,368世帯(4.5%)の増加。1世帯あたりの人数は2.32人から2.21人に減った。

    ひとり暮らしや夫婦のみの世帯が増えていることが背景にあるとみられる。人は減っても住まいの需要はすぐには減らない。住宅やサービスの形が、少人数の世帯に合わせて変わっていく時期に入っている。

    減る時代の埼玉

    今回の結果は、「埼玉はまだ増えている」という前提が終わったことを示している。ただ、数字を追うと、埼玉が人を惹きつける力を失ったわけではないことも分かる。毎年4万人近い転入超過は続き、朝霞市や大宮区のように大きく伸びた地域もある。減少の主な原因は、生まれる子どもより亡くなる人が多いという、日本全体に共通する構造だ。

    人口が減れば、空き家や空き店舗、使われなくなった公共施設が増えていく。見方を変えれば、それは新しいことを始めるための「余白」でもある。家賃の手頃な空き店舗で小さな店を開く人、減っていく子どもたちの居場所をつくる人、外国から来た住民と地域をつなぐ人。人口が減る街ほど、ひとりの挑戦が街の景色を変える余地は大きい。

    SAITAMAZINEは、安心と余白のある都市・埼玉から生まれる小さな挑戦を記録している。数字の上では減っていく街でも、そこで何かを始めようとしている人がいる。人口統計は、その余白がどこに生まれているかを教えてくれる地図でもある。

    県全体の人口規模や、首都圏の中での埼玉の立ち位置は「埼玉の人口はなぜ増え続けるのか?市町村ランキングと人口推移から見える「首都圏最大の住宅県」」で詳しくまとめている。市ごとの人口は、川口市、川越市、越谷市、伊奈町の記事もあわせて読んでほしい。

    よくある質問

    埼玉県の人口は何人?

    2025年10月1日時点の国勢調査(確定値)で728万7,325人。全国5位だ。国勢調査の間の年は、県が毎月「推計人口」を公表しており、2026年8月1日時点では728万9,928人となっている。

    埼玉で一番若い街は?

    平均年齢が最も若いのは戸田市(43.4歳)。2位は和光市(44.1歳)、3位は朝霞市(44.3歳)。15歳未満の割合が最も高いのは滑川町(13.8%)だ。

    人口が一番増えた市は?

    増加数ではさいたま市(2万840人)、増加率では朝霞市(4.4%)が最も大きい。さいたま市の区別では大宮区が6.39%増と大きく伸びた(速報値)。

    人口が一番減った市町村は?

    減少率では東秩父村(15.36%減)、減少数では春日部市(6,975人減)が最も大きい(いずれも速報値)。

    速報値と確定値はどちらを見ればいい?

    公表されている項目は、確定値を使うのが基本だ。速報値は暫定的な集計で、確定値とは数十〜数百人程度の差が出ることがある。市町村別の増減数など確定値の報道資料に載っていない項目は、統計表が公開されるまで速報値で確認できる。

    次の国勢調査はいつ?

    国勢調査は5年ごとに行われるため、次回は2030年(令和12年)10月1日時点で実施される予定だ。

    出典

    ライター
    たけと

    兵庫県神戸市出身。都会の喧騒を離れ、たどり着いた新天地・蒲生(越谷市)で第二の人生を謳歌する元商社マン。 長野出身の妻、そして年子(0歳・1歳)の育児に奮闘しながら、越谷の心地よさを日々実感しています。満洲の餃子をこよなく愛する、自称・越谷の関西代表。

    Sponsored Links

    関連する記事

    最新記事

    とは??

    「SAITAMAZINE」は、埼玉県の魅力を
    発見・発信するローカルメディアです。
    埼玉県で過ごす人々の物語を通して、
    埼玉の新たな一面をお届けします。