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    越生町の住みやすさは?ハイキングのまちで暮らす魅力・治安・家賃・移住支援を解説

    「越生町への移住を考えているけど、実際の暮らしはどうなんだろう?」

    埼玉県西部・入間郡に属する越生町は、関東三大梅林のひとつ「越生梅林」を擁する山里の町だ。人口は10,809人(令和6年8月現在・越生町)、面積40.39km²の約7割が山地で占められる。

    朝から越生10名山に向かうハイカーの姿が駅前にある。平均家賃は3.64万円と、東武越生線・JR八高線沿線で最安値水準だ。空き家バンクを使って築40年の平屋戸建てを入手し、数年かけてセルフリフォームしながら暮らす——そういう生き方が実際に選ばれている町だ。

    SAITAMAZINEが交通・治安・買い物・自然・子育て・家賃・仕事の各軸で越生町の住みやすさを解説する。

    越生町ってどんなところ?

    基本情報と立地

    越生町は埼玉県西部・入間郡に属し、ときがわ町・鳩山町・飯能市・毛呂山町に囲まれた山里の町だ。人口10,809人(令和6年8月現在・越生町)、面積40.39km²のうち約7割が山地で、人口密度は非常に低い。

    町内にはJR八高線と東武越生線の2路線が乗り入れる越生駅と、東武越生線の武州唐沢駅の2駅がある。2路線・2駅が存在する点はこの規模の町としては恵まれており、居住エリアに応じて使い分けられる。

    「ハイキングのまち」の個性

    越生町が全国的に知られる理由のひとつが「ハイキングのまち」としての個性だ。越生10名山と呼ばれる気軽に登れる低山群が整備されており、登山初心者から経験者まで楽しめるコースが揃っている。

    越生駅前には朝からハイキングに向かう人の姿が日常的にあり、週末になると都市部からの登山者も加わって駅に活気が生まれる。梅・つつじ・桜・あじさいと四季の花が咲き誇る山里の景観が、移住者と観光客の両方を引き寄せている。

    都心から電車で約1時間半という距離感

    越生駅から池袋までは東武越生線経由・坂戸乗り換えで約1時間10分、川越まで約47分でアクセスできる。

    完全な田舎でもなく、都心とのつながりを保てる「ちょうどよい田舎感」がある。この距離感が、テレワーカーや二拠点生活者の移住先として越生町が注目される理由だ。

    交通アクセス

    越生駅(JR八高線・東武越生線)

    越生駅はJR八高線と東武越生線の2路線が乗り入れ、東武越生線の終点駅になっている。駅には広い無料駐輪場が整備されており、自転車での通勤・通学に対応している。

    東武越生線の終点(始発駅)のため、朝の通勤時間帯でも比較的座って乗れるのは沿線の中でも越生の優位点だ。

    東武越生線と坂戸乗り換えのルート

    都心方面への主なルートは、東武越生線で坂戸駅まで出て東武東上線に乗り換える方法だ。住民の一般的な移動パターンは「まず坂戸に出る」で、川越・池袋方面へのアクセスはここを起点にする。

    東武越生線の武州唐沢駅も町内にあり、越生地区以外に居住する場合の選択肢になる。川越方面への所要時間は約47分で、川越を起点にした買い物や通勤も選択肢に入る。

    車移動と県道30号線

    県道30号線(飯能寄居線)が町を南北に縦断しており、ベルク・カインズをはじめとした商業施設はこの沿線に集中している。観光バスとイーグルバスが運行しており、買い物や通院の足として機能している。高速道路へのアクセスは近隣市(毛呂山町方面)経由となるため、遠出の際は車での移動が基本になる。

    デメリット

    アクセス面の課題は正直に伝える。JR八高線は本数が少なく、単線のためダイヤに制約がある。緊急時や帰宅時間がずれた場合の選択肢が少ない点は事前に把握しておきたい。

    移住者からは「コンビニもスーパーも銀行も車がないと行けない」という正直な声がある。都心への通勤は片道約1時間10分〜1時間半と長く、毎日の通勤が前提の人には重い負担になることも覚悟が必要だ。

    治安

    公式データで見る治安

    越生町の治安を公式データで確認しておこう。

    指標データ
    刑法犯認知件数72件(令和5年)
    人口1,000人当たり犯罪率6.7件(埼玉県平均6.8件をわずかに下回る)
    主な傾向大規模な繁華街・歓楽街がなく、都市型犯罪が起きにくい構造

    出典:埼玉県警察「刑法犯認知件数(警察署別・市町村別)」埼玉県「市町村のすがた(安全・安心)」

    人口約1万人規模の小さな町に大規模な繁華街・歓楽街は存在せず、都市型の犯罪が起きにくい環境が整っている。数値と体感の両面から、落ち着いた治安環境といえる。

    地域コミュニティと見守り文化

    数値の裏にあるのは、顔の見えるコミュニティの安心感だ。「元々住まわれている人たちが優しく、子どもも元気で向こうから挨拶してくる」という声が住民の間にある。

    近所からの野菜のおすそわけや地域行事を通じた人の繋がりが安全・安心の基盤になっている。移住者が受け入れられやすいコミュニティが形成されており、地域行事への参加が自然な溶け込み方になる。

    夜道と野生動物の実態

    夜間は人通りが少なく、山に近い道は暗い。夜間の外出は車での移動が安全だ。

    また、「車を運転していると、タヌキや鹿が道を横切ったり、たまに猪に遭遇したりすることも」という移住者の声がある。これは「山里に暮らすということ」の一側面で、農作物への獣害対策が話題になることもある。田舎暮らしの現実として事前に把握しておくと安心だ。

    買い物・生活環境

    越生駅周辺の施設

    越生駅近くにはヤオコーがあり、食品の買い物の基本はここで完結できる。役場・図書館・郵便局などの公共施設も越生駅周辺に集まっており、行政手続きや図書館利用は徒歩圏内で対応できる。コンビニ・薬局が夜遅くまで営業しており、緊急時の買い物にも対応できる。

    ベルク・カインズ・道の駅うめその

    車があれば選択肢が大きく広がる。県道30号線(飯能寄居線)沿いにベルク(スーパー)とカインズ(ホームセンター)が立地しており、食料品から日用品・DIY用品まで揃えられる。

    道の駅「うめその梅の駅」やJAいるま野農産物直売所では、越生産の梅・ブルーベリー・みょうがなど地場農産物を手軽に入手できる。移住者の中には越生産梅で梅干しを漬け、ブルーベリーでシロップを作るなど「手仕事・保存食づくり」を楽しむ暮らし方を実践している人も多い。

    生活の実態(正直に)

    生活の不便さについても正直に書く。おしゃれなショッピングや多様な外食を楽しみたい場合は、川越・坂戸方面に出ることになる。夜遅い時間にファミレスに行きたい場合も、毛呂山まで足を伸ばす必要がある。

    移住者の一人は「都会暮らしでは考えられないくらい不便」と正直に語っている。この不便さを受け入れ、割り切った上で「豊かさ」を見出せる人が越生町に向いている。

    越生梅林・自然・季節のイベント

    越生梅林(関東三大梅林)

    越生町最大の観光資源が、偕楽園・熱海梅園と並ぶ関東三大梅林のひとつ「越生梅林」だ。約2haの園内に約1,000本の梅の木が植えられており、2〜3月の見頃には越生梅林梅まつりが開催される。

    観光シーズンには多くの来場者が訪れ、越生駅周辺が一年で最も賑わう時期になる。「観光で来たのに住みたくなった」という声があるほど、梅まつりは越生町の魅力を体感できる最大の機会だ。

    四季の花と名所

    越生町の自然スポットは梅だけではない。四季を通じて花の名所が点在している。

    時期スポット
    4〜5月五大尊つつじ公園:関東屈指のつつじの名所。約10,000株・樹齢300年を超える古木
    4〜5月さくらの山公園:約300本の桜
    4〜5月山吹の里歴史公園:約3,000株の山吹。太田道灌ゆかりの地
    6月あじさい山公園:アジサイの開花シーズン

    一年を通じて花の見頃が途切れない環境は、住んでいる人にとって季節の移ろいを体感できる豊かさそのものだ。

    越生10名山と里山ハイキング

    越生10名山は気軽に登れる低山群として整備されており、梅林・つつじ・桜を巡るハイキングコースが楽しめる。朝からハイキングに出かける住民の姿が日常的に見られるのが「ハイキングのまち越生」の日常だ。

    移住者の一人はこう語っている。「ウグイスのさえずりが家の中まで聞こえてくる。夜はフクロウの鳴き声も」都市では絶対に体験できないこの日常が、越生町を選んだ人たちの暮らしの豊かさを物語っている。

    越生まつりと地域行事

    越生まつりは6台の山車が町を巡る夏まつりで、花火大会も行われる。世界無名戦士之墓の慰霊大祭など古くから続く地域の行事も残っており、年間を通じた行事の流れがある。普段は静かな町内が行事ごとに活気づくサイクルが、地域のコミュニティを維持し続けている。

    子育て・教育・医療環境

    保育施設と学校

    越生町の教育施設は小さな町ながら一通り揃っている。保育園2園(町営1園・法人1園)・幼稚園1園・小学校2校・中学校1校・高等学校3校が整備されている(越生町)。

    高校が3校あるのは人口規模としては充実しており、子どもが高校まで町内・近隣で進学できる環境が整っている。小規模校ならではのきめ細かい教育が受けられ、教師と生徒の距離が近い環境だ。

    医療費助成と医療体制

    こどもの医療費助成は満18歳になる年度末までが対象で、保護者の経済的負担を軽減する制度が整備されている。

    出典:越生町「こどもの医療費支給事業」

    町内には内科・歯科・小児科・接骨院(整骨院)が整備されており、日常的な医療は町内で対応できる。接骨院・整骨院が人口規模に比して充実しているのは、アクティブな山里の暮らしで身体を使う機会が多い越生町ならではの特徴だ。総合病院は近隣市となるが、サービス付き高齢者向け住宅の整備も進んでいる。

    地域コミュニティの子育て環境

    越生町の子育て環境の核心は施設の数よりも、地域全体で子どもを見守るコミュニティの温かさにある。

    「子どもが向こうから挨拶してくる」という住民の声が示す通り、地域の大人と子どもの距離が近い。梅の収穫・ブルーベリー摘み・ハイキングなど、四季の自然体験が子どもの日常の中にある環境は都市部ではなかなか手に入らないものだ。

    家賃・住まい相場

    賃貸の家賃相場

    越生町の家賃水準は埼玉県内でも際立って安い。越生駅周辺の平均家賃は3.64万円で、東武越生線・JR八高線沿線の中で最安値水準にある。

    路線家賃目安
    東武越生線武州長瀬駅周辺約4.55万円
    東武越生線東毛呂駅周辺約3.98万円
    東武越生線武州唐沢駅周辺約3.73万円
    東武越生線/JR八高線越生駅周辺約3.64万円(最安値)
    JR八高線高麗川駅周辺約5.04万円
    JR八高線毛呂駅周辺約4.88万円

    この家賃水準は、都内のワンルームと同じ価格帯で広い戸建てが選べる可能性を示している。生活コストを抑えながら広い住まいを確保したい人にとって、越生町は選択肢として十分に機能する。

    空き家バンクと中古物件

    越生町では空き家バンク制度を実施しており(越生町)、移住者が格安物件を探す際の有力な手段になっている。さらに、空き家バンク登録物件を購入してリフォームした人を対象とした空き家改修事業補助金も整備されている

    出典:越生町「空き家バンク制度」越生町「空き家改修事業補助金」

    実際に空き家バンクを活用して築40年の平屋戸建てを入手し、数年かけてセルフリフォームしながら暮らしている移住者もいる。住まいをDIYで育てることを楽しめる人にとって、越生町の空き家は大きなチャンスになる。

    土地相場と購入の現実

    土地購入を検討する場合、入間郡全体の相場は30.5万円/坪が目安になる。ただし立地によって差が大きく、暮らしやすいエリアでは80万円/坪を超えるケースもある。

    農村地帯のため土地面積が広めの物件も多く、都心と比べて格段に安い価格でまとまった土地のマイホームが実現できる可能性がある。農地を購入する場合は農地法の制限(農家資格が必要なケース)があるため、購入前に越生町役場への確認をすすめる。

    住宅取得支援制度(多子世帯向け補助金)

    越生町には、ファミリー層の定住を後押しする多子世帯向け住宅取得支援補助金が整備されている。夫婦ともに45歳未満で町内に3年以上定住することを目的に住宅を取得する転入者・在住者が対象だ。

    空き家改修事業補助金や個人住宅リフォーム補助金と併用できるケースもあるため、うまく組み合わせることで住宅コストをさらに抑えることができる。

    詳細な要件・申請方法は越生町公式サイトで確認のこと。子育て世帯が住まいを取得する際に、複数の支援制度を重ねて活用できる点は越生町の大きな強みだ。

    出典:越生町「多子世帯向け住宅取得支援補助金」

    仕事・働き方

    越生町の主要産業

    越生町の主要産業は農業で、梅・ブルーベリー・みょうがなど地域の農産物の栽培が盛んだ。越生梅林・五大尊つつじをはじめとした観光地に関連する仕事も存在しており、観光業・飲食業の求人もある。町内にゴルフコースがあり、ゴルフ関連の雇用も一定数ある。

    越生町は「少し変わったビジネスが根付く街」という側面もあり、起業者・フリーランス・クリエイターが個性的な仕事を作っている例がある。

    テレワーク・二拠点生活の可能性

    越生町への移住者の働き方として現実的なのが、テレワーク中心の生活だ。「リモートワークで週1〜2回都心に出るライフスタイル」が移住者の実態として紹介されており、越生駅から池袋まで約1時間10分という距離はその頻度の出勤なら許容できる範囲だ。

    越生産梅・野菜を使った加工品づくり・セルフリフォームなど**「暮らしを仕事にする」**働き方を実践している移住者もいる。地域おこし協力隊として移住し、任期後に起業・定住するルートも選択肢のひとつだ(詳細は越生町役場に要確認)。

    求人の探し方

    町内の求人は限られるため、近隣の坂戸・川越・毛呂山方面の職場への車通勤が現実的な選択肢になる。ハローワークや各求人サイトでは越生町単体だけでなく、近隣市を含めた広域で検索することをすすめる。移住前から仕事を確保しておくか、リモートワークで現在の職を維持するかを決めてから移住計画を立てるのが安全な順序だ。

    住んでいる人・移住した人の声

    良い点

    実際に越生町に住む人・移住した人の声を集めた。

    • 「元々住まわれている人が優しく、子どもも向こうから挨拶してくる」
    • 「越生梅林の梅まつりが素晴らしい。観光で来たのに住みたくなった」
    • 「のんびりとした雰囲気の駅に落ち着く。始発駅で座れるのもいい」
    • 「近所の方が自分で育てた野菜をおすそわけしてくれる」
    • 「ストレスの多い都会暮らしから一変、丁寧な暮らしを楽しめるようになった」

    「丁寧な暮らし」というキーワードが移住者の口から自然に出てくるのが越生町の特徴だ。日々の手仕事・季節の体験・地域とのつながりが、都市生活では得られなかった満足感を生んでいる。

    気になる点・正直なデメリット

    同時に、率直なデメリットの声も確認している。

    • 「コンビニもスーパーも銀行も車がないと生活できない。都会ではありえないくらい不便」
    • 「JR八高線は本数が少なく不便。スーパーやコンビニが非常に少ない」
    • 「遅い時間は毛呂山まで行かないとファミレスがない」
    • 「タヌキ・鹿が道を横切ったり、猪に遭遇したりすることも」

    これらのデメリットを「受け入れられるか」が、越生町での暮らしの成否を分ける最大のポイントだ。不便さを不満として感じるか、山里の暮らしの一部として捉えるか——そこで越生町との相性がはっきり分かれる。

    まとめ

    越生町の住みやすさを各軸でまとめる。

    評価軸総評
    概要人口約1万人・面積40km²の約7割が山地。JR八高線・東武越生線の2路線が通る「ハイキングのまち」
    アクセス越生駅→池袋は東武越生線経由で約1時間10分。車は必須。JR八高線は本数少なめ
    治安犯罪率6.7件(令和5年・埼玉県平均6.8件をわずかに下回る)。人口規模が小さく都市型犯罪が起きにくい環境
    自然関東三大梅林の越生梅林・五大尊つつじ・さくらの山・あじさい山と四季の花スポットが豊富
    買い物ヤオコー・ベルク・カインズが利用可能。おしゃれな買い物は近隣市へ。車必須の生活
    子育て保育園2・小学校2・中学校1・高校3。医療費18歳年度末まで助成。接骨院が人口規模に比して充実
    家賃約3.64万円(東武越生線・JR八高線沿線で最安値水準)。空き家バンク活用の移住スタイルも現実的。多子世帯向け住宅取得支援補助金あり
    仕事農業・観光・ゴルフ関連。テレワーカー・二拠点生活者に向いた立地
    総合「不便な部分も含めて、暮らすほど豊かになる」移住先として注目される山里の町

    越生町は「割り切って選ぶ町」だ。車なしでは動けない・深夜の外食ができない・野生動物と出会う——これらをすべて承知の上で「それでもいい」と思えるなら、越生町はその期待に応えてくれる。

    まず一度、梅まつりの時期に現地を訪れてみてほしい。「観光で来たのに住みたくなった」という声の意味が、きっとわかるはずだ。

    ライター
    たけと

    兵庫県神戸市出身。都会の喧騒を離れ、たどり着いた新天地・蒲生(越谷市)で第二の人生を謳歌する元商社マン。 長野出身の妻、そして年子(0歳・1歳)の育児に奮闘しながら、越谷の心地よさを日々実感しています。満洲の餃子をこよなく愛する、自称・越谷の関西代表。

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