美里町の住みやすさは?ブルーベリー・国重文の百八燈・新幹線補助・家賃4.5万円の田舎暮らしを解説

「美里町って住みやすいの?農村の田舎暮らしに実際に移住するとどんな生活になる?移住支援は?」
埼玉県児玉郡に位置する人口1.01万人の小さな農業の町・美里町。「美しい里の町」というその名の通り、のどかな田園風景・ブルーベリー観光農園・国指定重要無形民俗文化財「猪俣の百八燈」という400年以上続く盆の火祭りが今も生きる歴史の町だ。
移住支援も充実しており、新幹線通学定期券購入補助(月額最大2万円・令和6年度から拡充)・奨学金返還支援事業補助金という行政の手厚いサポートがある。家賃はアパート約4.5万円・坪単価3.1万円という圧倒的なコスパだ。
一方、正直なデメリットも把握しておく必要がある。「車は絶対に必要・賃貸物件が約30件と極めて少ない・大型商業施設は町内になし・夜道が暗い」
——これらをSAITAMAZINEが正直に解説する。
美里町ってどんなところ?
「美しい里の町」・人口1万人の小さな農業の町
人口1.01万人・転入者360人(2025年度)。埼玉県児玉郡に属する小さな農村町だ。のどかな田園風景が広がり、春から秋にかけてカタクリ・蓮の花・彼岸花など季節ごとの多様な花々が咲き誇る。特産品のブルーベリーやエゴマをはじめ新鮮な野菜や果物が手軽に購入できる農業の町で、住民の地域幸福度では「適度な価格で住空間を確保できる」がトップ3に入っているほどコスパの高さが支持されている。
JR八高線を挟んで「北は本庄市・南は寄居町」という独特の地域特性
美里町の中心部にはJR八高線が通り、線路を挟んで北側は本庄市、南側は寄居町を生活圏とする方が多数だ。美里町役場は職員がフレンドリーで地域密着・アットホームな雰囲気があると住民から評判が良く、広い駐車場やエコカーに対応した設備を持つ先進的な役場だ。
歴史の古い町・鎌倉武士の地
美里町は歴史の古いまちで、町内には数多くの文化財や史跡が点在し、散策中に思いがけず歴史的な名所に出会えることも珍しくない。まちを東西に横断する「鎌倉街道」は鎌倉時代に幕府が整備した道路網で、周辺には「大道北」「市場」などの古い地名が今も残っている。整備されたウォーキングロードでのウォーキングやサイクリングを楽しむ人も多い。
交通アクセス

JR八高線(松久駅・唯一の無人駅)と高崎33分・池袋1時間50分
松久駅(JR八高線)は美里町唯一の鉄道駅で、無人駅として地元住民に利用されている。
| 区間 | 所要時間・アクセス |
|---|---|
| 松久駅→高崎駅 | 約33分 |
| 松久駅→池袋駅 | 約1時間50分 |
| 乗継 | 寄居駅または小川町駅から東武東上線に乗り継いで都内へアクセス可能 |
2012年にログハウス風の美里町駅前情報館が完成し観光情報を発信している。
寄居スマートIC(車で3分)と本庄早稲田駅(新幹線・車で10〜20分)
2021年に関越自動車道の「寄居スマートIC」が全面開通した。ICは隣接する寄居町にあるが美里町の中心部から車で約3分と利便性が高い。JR上越新幹線「本庄早稲田駅」まで車で10〜20分という立地で、新幹線通勤や通学にも対応できる。美里町では「新幹線通学定期券購入補助事業」を実施しており令和6年度から月額最大2万円に拡充されている。
| 目的地 | 所要時間(目安) |
|---|---|
| 長瀞町 | 約30分 |
| 秩父市 | 約60分 |
| ふかや花園アウトレット | 約20分 |
| 都心部 | 約90分程度 |
「車は絶対に必要」という正直なデメリット
松久駅はJR八高線の無人駅で電車の本数が限られており、日常の移動・買い物・医療機関へのアクセスはマイカーが前提だ。移住前に車の確保が最優先事項で、2〜3台分の駐車場付きの住宅が標準的な暮らし方になる。大型ショッピングセンターの利用は近隣の市町へ出かけることになり、日常の特別な買い物は深谷市・本庄市・熊谷市方面への車移動が前提だ。
治安
人口1万人の農村部ならではの安心な環境
人口1.01万人という小さな農村部のため、大きな犯罪がほぼ起きない穏やかな治安環境が保たれている。地域コミュニティが緊密で顔見知りが多い環境が自然に防犯効果を生み出しており、地域全体で助け合う文化が根付いている。繁華街・歓楽街がなく夜間の犯罪リスクが極めて低い環境だ。
美里町は人口規模が小さいため埼玉県警察の市町村別犯罪率一覧(63市区町村対象)には含まれていないが、秩父市や寄居町などと同様に「犯罪件数そのものが少ない郊外・農村部」として位置付けられている。具体的な犯罪認知件数は埼玉県警察「刑法犯認知件数(警察署別・市町村別)」で確認することをすすめる。
農村部特有の正直な注意点
一方、「夜は非常に暗く、街灯が少ないエリアもある」という点は農村部の正直なデメリットだ。車の移動が前提のため交通安全(道路の速度・見通し)への注意が必要で、引越し前の昼夜の現地確認を推奨する。
ブルーベリー・エゴマ・農業特産品

ブルーベリー観光農園(6月〜9月)と産地直売
美里町のブルーベリーはたっぷりと日光を浴びて育つため、みずみずしさが特徴で人気がある。毎年6月から9月頃には、町内の観光農園でブルーベリー狩りを楽しむことができ、住んでいるからこそ旬のブルーベリーを気軽に収穫体験できるのは都会では絶対に得られない日常の贅沢だ。町内のスーパーや直売所では、新鮮な野菜・果物・ブルーベリー・エゴマを手に入れることができる。
エゴマ(α-リノレン酸・健康効果)と円良田特産センター
エゴマは主に油として利用され健康効果が注目されている。エゴマに含まれる「α-リノレン酸」は生活習慣病などの予防に効果があるとされ健康志向の高い人々から注目を集めている。円良田特産センターには搾油機が設置されており、エゴマ油の販売だけでなく委託搾油も行っている。エゴマ油はふるさと納税の返礼品としても人気だ。
猪俣の百八燈・鎌倉街道・大使蓮(歴史と文化)

猪俣の百八燈(国指定重要無形民俗文化財・400年以上の伝統)
猪俣の百八燈は400年以上続く盆の火祭り行事だ。108基の塚に若者たちが火をともしていく幻想的な祭りで、猪俣を本拠地にした鎌倉武士猪俣小平六範綱とその一族の霊を慰める行事として受け継がれている。6歳から18歳までの青少年が中心となって行われる国指定重要無形民俗文化財で、鎌倉武士の本拠地という歴史的な背景が今も地域の誇りとして生きている。関の獅子舞(町指定無形民俗文化財)・広木の屋台囃子(屋台は町指定有形文化財)という複数の伝統行事も今も地域で受け継がれている。
大使蓮(日中友好のシンボル)というユニークな文化財
大使蓮は1997年に中国から日本に贈られた蓮で、美里町内では「長岡池」をはじめ数カ所で栽培されている。夏に長岡池に咲く大使蓮を見に訪れる人もおり、中国から贈られたという歴史的背景を持つ蓮が町内に根付いているというユニークな文化財だ。春には山林部にカタクリの群生地が広がり、小山川遊歩道の桜並木も地域の自然スポットとして親しまれている。
子育て・移住支援制度
こども医療費(18歳年度末まで・全額助成・所得制限なし)
美里町のこども医療費支給制度は、18歳年度末まで・全額助成・所得制限なしという手厚い内容だ(令和7年4月1日現在・埼玉県資料で確認済み)。
新幹線通学定期券補助(月額最大2万円・令和6年度から拡充)
美里町新幹線通学定期券購入補助事業は令和6年度から月額最大2万円に拡充された。本庄早稲田駅まで車で10〜20分という立地と組み合わせれば、新幹線を使った通学が現実的な選択肢になる。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 新幹線通学定期券購入補助 | 月額最大2万円(令和6年度から拡充) |
| 奨学金返還支援事業補助金 | 町内への移住・定住と連動した奨学金返還支援制度 |
| 起業支援制度 | 移住を機に独立・新規事業立ち上げを検討している方向け |
転入者アンケートを実施して移住者の声を積極的に収集・改善に活かしている役場の姿勢が、移住者受け入れへの本気度を示している。
のびのびとした子育て環境
「美里町ではのびのびと子育てができる充実の支援が整っています」という役場の言葉がある。カタクリ・ブルーベリー・エゴマ・大使蓮・猪俣の百八燈など自然と歴史の中で子どもが多くのことを学べる環境が日常にあり、都会では得られない豊かな体験が子どもの情操教育に繋がっている。
家賃・不動産相場
家賃4.5万円・坪単価3.1万円という圧倒的なコスパ
1LDKや2Kのアパート物件であれば約4.5万円・一戸建て物件は約4.2万円で住むことが可能だ。駅チカ物件であっても5万円以下のアパートが多く、松久駅まで徒歩5分以内の利便性の高い物件もある。土地価格相場は坪単価3.1万円と他エリアと比較して安価で、注文住宅で理想のマイホームを建てることも可能な環境だ。農村部のため広大な庭・2〜3台分の駐車場付きの住宅が一般的な選択肢として揃っている。
賃貸物件の少なさという正直な課題
農村部のため賃貸より持家中心の住環境で、物件が出るとすぐに売れてしまう状況だ。住まいを探す際は不動産会社に相談しながらこまめに情報をチェックすることを推奨する。最新の物件数・家賃データはSUUMO・LIFULL HOME’Sで確認することをすすめる。
住んでいる人の声(移住者の体験談)
移住して良かった点
実際に美里町に住む・移住した人たちの声を集めた。
- 「豊かな自然に囲まれた環境でゆったりと暮らしたい人・旬の新鮮な野菜や果物を日常的に楽しみたい人・歴史・文化的な要素が好きで四季折々の自然の原風景を眺めながら散策したい人に美里町は特に適している」
- 「新幹線通学定期券補助(月額最大2万円)・奨学金返還支援・起業支援という行政の手厚い支援が移住者の背中を押している」
- 「家賃4.5万円・坪単価3.1万円という圧倒的なコスパ。2〜3台分駐車場・庭付きの広い家に安価で住める。都心では絶対に実現できない生活水準が手に入る」
気になる点(正直な声)
率直なデメリットの声もある。
- 「車は絶対に必要。電車(JR八高線・松久駅・無人駅)の本数が限られており、マイカーなしでは生活が成り立たない。移住前に車の確保が最優先事項」
- 「賃貸物件が約30件(2023年12月時点)と非常に少ない。物件が出るとすぐに売れる状況。物件探しに時間がかかる可能性がある」
- 「大型ショッピングセンターは町内にないため日常の特別な買い物・外食・娯楽は近隣の市町への車移動が前提になる」
- 「夜は非常に暗い。街灯が少ないエリアもある。農村部の夜道の暗さは都市部出身者には慣れが必要」
まとめ
美里町の住みやすさを各軸でまとめる。
| 評価軸 | 総評 |
|---|---|
| 概要 | 人口1.01万人・埼玉県児玉郡・「美しい里の町」。転入者360人(2025年度)。JR八高線の線路を挟んで北側は本庄市・南側は寄居町という独特の生活圏を持つ農業と歴史の小さな町 |
| 交通 | JR八高線(松久駅・唯一の無人駅)→高崎33分・池袋1時間50分。寄居スマートIC(車で3分・2021年開通)。本庄早稲田駅(上越新幹線)まで車で10〜20分。「車は絶対に必要」が最重要なデメリット |
| 治安 | 人口1万人の小さな農村部で大きな犯罪がほぼ起きない穏やかな環境。夜道が暗い・交通安全に注意という農村部の正直な注意点 |
| 農産物 | ブルーベリー(6月〜9月観光農園)・エゴマ(α-リノレン酸・円良田特産センター・ふるさと納税返礼品)・新鮮な野菜・お米 |
| 歴史文化 | 猪俣の百八燈(国指定重要無形民俗文化財・400年以上・108基の塚の盆の火祭り)・鎌倉街道・大使蓮(1997年中国から贈られた日中友好のシンボル)・関の獅子舞・広木の屋台囃子 |
| 子育て | こども医療費18歳年度末まで・全額助成・所得制限なし。新幹線通学定期券補助(月額最大2万円・令和6年度拡充)・奨学金返還支援事業補助金・起業支援制度 |
| 家賃 | アパート約4.5万円・一戸建て約4.2万円・坪単価3.1万円。ただし賃貸物件が約30件と極めて少ない正直なデメリット |
| 向いている人 | 田舎暮らし願望・農産物直売・歴史散策が好きな方・テレワーカー・農業・自営業・上越新幹線通学を検討する家族。車社会前提・娯楽施設なし・夜は暗いことを理解した上での移住が成功の鍵 |
美里町は「住んでいるからこそ分かる町」だ。猪俣の百八燈の幻想的な炎・旬のブルーベリー収穫体験・中国から贈られた大使蓮——これらが「日常」として広がる生活は、美里町に住む人だけが持てる特権だ。
車必須・賃貸物件が極めて少ない・夜が暗い・大型商業施設なしという正直なデメリットを把握したうえで、
「家賃4.5万円のコスパ・国指定文化財の百八燈・ブルーベリー観光農園・こども医療費18歳全額助成・手厚い移住支援」
——この組み合わせに価値を感じる方にとって、美里町は最高の移住先になる。
兵庫県神戸市出身。都会の喧騒を離れ、たどり着いた新天地・蒲生(越谷市)で第二の人生を謳歌する元商社マン。 長野出身の妻、そして年子(0歳・1歳)の育児に奮闘しながら、越谷の心地よさを日々実感しています。満洲の餃子をこよなく愛する、自称・越谷の関西代表。