埼玉の人口はなぜ増え続けるのか?市町村ランキングと人口推移から見える「首都圏最大の住宅県」

埼玉県の人口は約730万人。
日本の都道府県の中でも上位に入る規模であり、首都圏では東京・神奈川に次ぐ人口を抱える地域である。
日本全体では人口減少が進んでいるが、埼玉では人口が大きく減少せず、長い期間にわたって増加を続けてきた。
なぜ埼玉にはこれほど多くの人が集まるのか。
本記事では、埼玉県の人口ランキングや市町村別データ、人口推移をもとに、その理由を読み解く。
そこから見えてくるのは、埼玉が持つ「首都圏最大の住宅県」という都市の姿である。
埼玉の人口は全国何位?2026年度最新ランキング
埼玉県は、日本の都道府県の中でも人口規模が大きい地域の一つである。
首都圏に位置する住宅都市として発展してきた歴史を持ち、現在も多くの人が暮らす人口集積地となっている。
では、埼玉県の人口は全国で何位なのか。
また、首都圏の他の県と比べるとどの程度の規模なのだろうか。ここでは、最新の人口データをもとに埼玉の人口規模を見ていく。
埼玉県の人口
結論から言うと、埼玉県の人口は全国5位前後・約735万人。
地味に見られがちな埼玉だが、数字だけ見ると普通に「超メガ県」である。
しかも面白いのは、東京みたいな圧倒的な都心を持っているわけでもなく、横浜のようなブランド都市があるわけでもない。それでもこの人口規模を維持している。
つまり埼玉は、
「派手さはないが人はめちゃくちゃ住んでいる県」
という、かなり特殊なポジションにいる。
この違和感こそが、埼玉の本質だ。
| 順位 | 都道府県 | 人口(人) |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 14,267,766 |
| 2位 | 神奈川県 | 9,211,259 |
| 3位 | 大阪府 | 8,768,793 |
| 4位 | 愛知県 | 7,447,348 |
| 5位 | 埼玉県 | 7,317,405 |
各都道府県庁の公式サイトの2026年2月時点の人口データより引用
年齢別人口
埼玉の人口構造を年齢別で見ると、いわゆる「バランス型」に近いが、その中でも特徴ははっきりしている。
特に目立つのは、30代〜40代のボリュームが厚いことだ。

これは、東京に通勤する現役世代が多く流入していることを意味している。
単身層だけでなく、結婚や子育てをきっかけに埼玉へ移るファミリー層も多く、結果として働き盛りの世代が県全体の人口を支えている構造になっている。
一方で、0〜14歳の子ども世代も一定数を維持している。
これはファミリー層の流入が継続している証拠であり、「住む場所」としての機能がしっかり回っていることを示している。
ただし長期的には、全国と同様に高齢化の波は避けられない。
65歳以上の割合は徐々に増加しており、今後は「現役世代が多い県」から「高齢化が進む住宅県」へと移行していく可能性もある。
つまり埼玉は、現役世代が流入してバランスを保っているが、構造的には全国と同じ課題を抱えている県だと言える。
男女比
男女比で見ると、埼玉は大きく偏っているわけではなく、ほぼ全国平均に近いバランスとなっている。
ただし細かく見ると、年齢層によって違いが出ている。
若年層から現役世代にかけては、やや男性比率が高くなる傾向がある。
これは、都内勤務の単身男性が埼玉に住むケースが一定数あるためだ。一方で、ファミリー層が多いエリアでは男女比はほぼ均衡している。
そして高齢層になると、全国と同様に女性の比率が高くなる。
平均寿命の違いにより、年齢が上がるほど女性の割合が増える構造だ。
全体として見ると、埼玉の男女比は極端な偏りはなく、単身層とファミリー層が混在する標準的な都市圏の人口構造になっている。
この点もまた、埼玉が特定の層に偏った地域ではなく、幅広い層に選ばれている住宅県であることを裏付けている。
東京・神奈川・千葉との人口比較
首都圏の中で埼玉の立ち位置を見ると、その役割がよりはっきりする。
人口規模としては東京、神奈川に次ぐ3番手に位置しており、千葉よりも上にいる。

ここで興味深いのは、埼玉が内陸県であるにもかかわらず、海を持つ千葉よりも人口が多いという事実だ。
観光資源や空港といった分かりやすい強みがあるのは千葉の方だが、それでも埼玉に人が集まる。
その理由は極めてシンプルで、埼玉が「東京に通うための最適な居住地」として機能しているからである。
都内よりも住宅コストが抑えられ、鉄道網も発達しており、日常的な通勤に無理がない。
このバランスの良さが、結果として人口の集積につながっている。
埼玉は観光地ではなく、生活のために選ばれる県だ。この性質が人口構造にそのまま表れている。
首都圏人口ランキング
首都圏全体で見た場合、埼玉は東京都、神奈川県に次ぐ3番目の人口規模を持つ。
この順位から見えてくるのは、埼玉が単なるベッドタウンではなく、首都圏の人口を支える基盤の一部であるという点だ。
さらに注目すべきなのは、現在の動きである。
東京都は依然として強いが生活コストの高さが課題となり、神奈川県は成熟しきった状態に近い。一方で千葉県はエリアごとの差が大きく、成長のばらつきが見られる。
その中で埼玉は、比較的広いエリアで安定して人口が流入している。さいたま市や川口市、越谷市といった地域では、今もなお人が増え続けている。
つまり埼玉は、「すでに大きい県」でありながら「まだ伸びている県」でもある。
この二つを同時に満たしている点が、首都圏の中でも特異なポジションを生み出している。
埼玉の人口推移~なぜ人口が増え続けているのか~
日本では多くの地域で人口減少が進んでいるが、埼玉県は比較的安定した人口規模を維持してきた地域の一つである。
高度経済成長期以降、首都圏の住宅都市として発展してきた埼玉では、長い期間にわたって人口増加が続いてきた。
【図表⑥:2000年〜2025年 人口推移折れ線グラフ】
(全国平均も薄く重ねて「埼玉だけ耐えている」構造を可視化)
ここでは2000年以降の人口推移を振り返りながら、なぜ埼玉で人口が増えてきたのかを見ていく。
2000年以降の人口推移
全国的に人口減少が進む中で、埼玉の動きはかなり異質だ。2000年以降を見ても、埼玉県は基本的に右肩上がり、もしくは高止まりの状態を維持している。
2000年代前半から中盤にかけては、東京のベッドタウンとしての需要拡大を背景に人口が増加。その流れはリーマンショック後も大きくは崩れず、2010年代に入っても緩やかな増加が続いた。
そしてコロナ禍前後で、一つの転換点が来る。都心の過密やコストの高さが意識され、「都心に近いが、少し郊外」というエリアへの関心が高まった。その受け皿の一つが埼玉だった。
結果として、全国では人口減少が加速する中でも、埼玉は減りきらず、むしろエリアによっては増え続けるという状態に陥っている。
重要なのは、「爆発的に増えているわけではないが、確実に減っていない」という点だ。この安定感こそが、埼玉の人口構造の特徴である。
人口増加の理由
埼玉の人口が増え続けている理由は、一つの要因ではなく、複数の条件が噛み合っている点にある。

まず大前提として、東京という巨大な雇用市場が隣に存在している。
埼玉単体で経済が完結しているわけではなく、東京と一体化した生活圏の中にあることが強い。
その上で、住宅コストの差が効いてくる。都内と比較すると、同じ予算でより広い住居を確保できる。
この差はファミリー層にとっては決定的であり、「東京に通える範囲でどこに住むか」という選択の中で埼玉が選ばれやすくなる。
さらに鉄道網の強さも見逃せない。
JRを中心に私鉄も含めて路線が多く、都心へのアクセス手段が複数存在する。この「代替ルートの多さ」は、日常の安心感に直結する要素だ。
加えて、埼玉はエリアごとに性格が分かれている。
都心に近い川口や戸田のようなエリアもあれば、越谷や久喜のように少し郊外でゆとりのあるエリアもある。
この選択肢の広さが、多様な層の受け皿になっている。
結果として埼玉は、「安いから住む場所」ではなく、「コスト・アクセス・生活のバランスが最も取れている場所」として選ばれている。
埼玉の人口ランキング|市町村別トップ20
埼玉の人口動態を語るうえで外せないのが、市町村ごとの人口ランキングだ。
県全体では人口が増えていると言われるが、実態としては「どこに人が集まっているのか」で見え方は大きく変わる。
| 順位 | 市町村名 | 人口(人) |
|---|---|---|
| 1 | さいたま市 | 1,355,687 |
| 2 | 川口市 | 595,389 |
| 3 | 川越市 | 352,517 |
| 4 | 所沢市 | 342,473 |
| 5 | 越谷市 | 341,357 |
| 6 | 草加市 | 252,302 |
| 7 | 上尾市 | 230,612 |
| 8 | 春日部市 | 228,588 |
| 9 | 熊谷市 | 188,408 |
| 10 | 新座市 | 165,942 |
| 11 | 久喜市 | 150,571 |
| 12 | 狭山市 | 145,993 |
| 13 | 朝霞市 | 144,540 |
| 14 | 戸田市 | 142,798 |
| 15 | 入間市 | 142,196 |
| 16 | 三郷市 | 141,258 |
| 17 | 深谷市 | 140,079 |
| 18 | 鴻巣市 | 117,523 |
| 19 | 富士見市 | 113,484 |
| 20 | 坂戸市 | 99,042 |
各市区町村の公式サイトの2026年2月時点の人口データより引用
上位に並ぶのは、さいたま市を筆頭に、川口・川越・所沢・越谷といった主要都市だ。
いずれも共通しているのは、東京へのアクセスと生活インフラのバランスが取れている点である。いわゆる“便利に暮らせる街”に人口が集中している構造になっている。
埼玉の人口が多い市区町村
埼玉の人口構造を理解するうえでまず押さえるべきなのは、「どこに人が集中しているのか」だ。
結論から言うと、人口は県南〜東部に強く偏っている。
最も人口が多いのはさいたま市で、県内でも圧倒的な規模を持つ中核都市だ。続くのは川口市、川越市、所沢市、越谷市といった主要都市で、いずれも鉄道アクセスと住宅地としてのバランスが取れているエリアである。
特徴的なのは、「いわゆる大都市」というよりも、「住みやすさが評価されている都市」が上位に並んでいる点だ。
商業・観光よりも、生活インフラや通勤利便性が重視されている。
人口増加率ランキング
一方で、今どこが伸びているのかを見ると、また違った景色が見えてくる。
【図表⑩:人口増加率ランキング(棒グラフ)】
人口規模が大きい都市が必ずしも成長しているわけではなく、「これから伸びるエリア」が浮かび上がる。
近年は、さいたま市の一部エリアに加えて、川口市、戸田市、和光市、八潮市、吉川市といった東京に隣接するエリアの伸びが目立つ。いわゆる「都内ギリギリ外側」のポジションだ。
このゾーンは、都内へのアクセス時間を極力抑えながら、住宅コストを下げられるという強みを持つ。そのため単身層からファミリー層まで幅広く流入している。
結果として、埼玉の人口増加は県全体で均一に起きているわけではなく、「東京との距離」でかなりはっきりと差が出る構造になっている。
人口が増えている市区町村
人口が実際に増え続けているエリアを見ていくと、いくつかの共通点がある。
【図表⑪:人口増加エリアマップ(緑)】
まず一つは、東京へのアクセスが現実的であること。
乗り換えを含めても通勤可能な距離にあるエリアは、継続的に人口を吸収している。川口や戸田、和光といったエリアが典型例だ。
次に、鉄道駅を中心とした再開発や住宅供給が進んでいること。
新築マンションや戸建ての供給があるエリアは、自然と人口が増える構造になっている。越谷や吉川などはこのパターンに当てはまる。
さらに、生活環境のバランスが良いことも重要だ。大型商業施設や学校、医療機関などが揃っているエリアは、特にファミリー層から選ばれやすい。
これらの条件が揃うことで、埼玉の中でも一部のエリアは今も明確に人口流入が続いている「成長ゾーン」になっている。
人口が減っている市区町村
一方で、すべてのエリアが伸びているわけではない。埼玉県内でも、人口が減少している地域は確実に存在する。
【図表⑫:人口減少エリアマップ(赤)】
共通しているのは、都心からの距離が遠いエリアや、鉄道アクセスが限定的な地域だ。秩父エリアや県北部の一部では、高齢化と若年層の流出が同時に進んでいる。
また、住宅供給が少ないエリアも人口が増えにくい。新しく住む人が入ってこなければ、自然減の影響をそのまま受けることになる。
ここで重要なのは、埼玉は「人口が増えている県」ではあるが、実態としては「増えているエリアと減っているエリアがはっきり分かれている県」だという点だ。
この二極化こそが、今の埼玉のリアルであり、今後の街づくりや不動産価値にも直結していくポイントになる。
埼玉 vs 千葉では人口はどちらが多い?
結論はシンプルで、人口が多いのは埼玉である。現在の人口規模は埼玉が約735万人、千葉が約630万人前後となっており、その差はおよそ100万人に及ぶ。

一見すると千葉の方が有利に思えるかもしれない。
海や観光地、空港といった分かりやすい資源を持っているため、「人が多そう」というイメージは強い。しかし実際には、より多くの人が生活の拠点として選んでいるのは埼玉だ。
この差は単なる数字の違いではなく、両県の役割の違いをそのまま表している。千葉がレジャーや観光も含めた「広がりのある県」だとすれば、埼玉はあくまで「住むために最適化された県」である。
人口差が生まれた理由
この人口差を生んでいる最大の要因は、東京との距離と接続性にある。
埼玉は県南エリアを中心に東京都と広く接しており、川口や戸田、和光といった地域からは、日常的に都内へ通勤することができる。鉄道網も複数路線が走っており、アクセス手段に選択肢がある点も強い。
一方の千葉も東京に隣接しているが、地形の関係上、アクセスは東西方向に偏りやすく、エリアによって利便性に差が出やすい。特に房総半島側に行くほど、通勤圏としての機能は弱まっていく。
さらに住宅構造の違いも影響している。埼玉は広い範囲で住宅地として開発が進んできたのに対し、千葉は工業地帯や観光地、農地など用途が分散している。そのため、純粋な「居住人口の受け皿」としては埼玉の方が機能しやすい。
結果として埼玉は、
「東京に通うために最適化された住宅県」として人口を集め続けてきた。
この積み重ねが、現在の100万人規模の人口差につながっている。
埼玉の人口は今後どうなる?人口予測
結論から言うと、埼玉の人口は今後すぐに大きく減るわけではないが、長期的には緩やかな減少局面に入っていくと見られている。
【図表⑭:将来人口予測グラフ(緩やか減少カーブ)】
全国的に少子高齢化が進んでいる以上、埼玉だけが例外であり続けることは難しい。
ただし、ここで重要なのは「減り方」である。地方のように急激に人口が減少するのではなく、埼玉の場合はしばらく高止まりしながら、徐々に減っていくというカーブを描く可能性が高い。
背景にあるのは、東京という巨大な雇用圏の存在だ。首都圏全体として人口が集まり続ける構造は当面続くと考えられており、その受け皿としての役割を持つ埼玉には一定の流入が続く。
つまり埼玉は、
「減少トレンドの中でも粘る県」になる可能性が高い。
短期的には横ばい〜微増、中長期では緩やかな減少。この“時間差のある人口減少”が、今後の基本シナリオになる。
なぜ埼玉は人口が多いのに「影が薄い」と言われるのか
ここまで見てきた通り、埼玉は全国でもトップクラスの人口規模を持つ県であり、首都圏の中でも重要なポジションにある。それにもかかわらず、「影が薄い」と言われがちなのはなぜか。
理由はシンプルで、埼玉が「目的地になる県」ではなく「生活のための県」として機能しているからだ。
東京のように「そこに行くこと自体が価値になる場所」でもなければ、観光地としての強いブランドがあるわけでもない。神奈川の横浜のような象徴的な都市や、千葉のテーマパーク・リゾートのようなわかりやすいアイコンも少ない。
その一方で、埼玉は日常生活に必要な要素が非常にバランスよく整っている。通勤のしやすさ、住宅の手頃さ、生活インフラの充実。この「ちょうどよさ」が、多くの人に選ばれる理由であると同時に、強い印象を残しにくい理由にもなっている。
さらに、東京との距離の近さも影響している。文化や消費の中心が東京にあるため、埼玉に住んでいても「遊ぶ場所は東京」という構造になりやすい。結果として、生活の拠点としては埼玉にいながら、イメージや話題は東京に吸収されてしまう。
つまり埼玉は、
「存在感がないのではなく、東京に役割を吸収されている県」だと言える。
人口が多いのに目立たないのではなく、目立つ必要がないほど生活に最適化されている。
この構造こそが、埼玉が持つ最大の特徴である。
埼玉は「日本最大の住宅県」かもしれない
ここまで見てきた通り、埼玉は単に人口が多い県ではない。
東京という巨大都市の隣で、人が暮らすための機能に特化してきた結果として人口を集めている県だ。
観光やブランド、象徴的な都市に頼るのではなく、通勤のしやすさ、住宅価格、生活インフラといった現実的な要素を積み重ねた結果、今のポジションにたどり着いている。派手さはないが、実態としては首都圏の人口を支える“基盤”そのものと言える。
そして重要なのは、その流れが今も続いていることだ。エリアごとの差はありながらも、都心に近い地域を中心に人口は流入し続けており、完全な衰退局面には入っていない。
つまり埼玉は、
「すでに大きいのに、まだ選ばれ続けている県」である。
この構造を踏まえると、「日本最大の住宅県」という表現は決して大げさではない。むしろ、東京という特殊な都市を除けば、これほどまでに“住むこと”に最適化されたエリアは他にない。
埼玉は目立たないが、確実に選ばれている。
その積み重ねこそが、735万人という人口の正体である。
—— 宮田
文・編集:宮田(SAITAMAZINE編集部)

X(旧: Twitter): @webkirin
1993年越谷生まれ。埼玉県越谷市を拠点に活動するWebマーケター。
普段は越谷市のデジタルマーケティングカンパニーCOUNTER株式会社を経営。「ローカルから最先端」というテーマを持ち活動中。データ分析と越谷への愛情は半端ないマーケティングオタク。